Idemitsu Group’s Sustainability 出光グループのサステナビリティ

中期経営計画

中期経営計画テーマ「共創」

出光グループは、42の国と地域で事業を展開しています。日本の環境・安全規制、品質・サービスの要求水準は世界で最も厳しいといわれています。これらを通じて鍛えられ蓄積してきた日本発の技術力、商品・サービス、ビジネスノウハウを基に、国内外で山積している重要で時に深刻でありながら、容易に答えが見つからない諸課題に対し、「だったらこうしよう」と斬新かつ柔軟な発想で、新たな価値を提供していきたいと考えています。
新たな価値創造にはステークホルダーの皆さまとの協働が欠かせません。国内外でお取引いただいている全てのお客さま、当社グループが事業を展開する地域の皆さま、地域に密着した販売店・特約店、物流や保全の協力会社や、産油国をはじめとする国内外のビジネスパートナー、そして多様なバックグラウンドを持った当社グループ従業員、これらのステークホルダーの皆さまと共に、新たな価値創造に挑戦していきます。「共創」にはこうした当社グループの想いが込められています。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

長期エネルギー事業環境シナリオ

気候変動問題はエネルギーを主力事業とする当社グループの経営および事業の継続に大きな影響を及ぼします。そこで、当社グループはパリ協定を踏まえ、2050年を長期のターゲットとして設定し、同年に向けた長期エネルギー事業環境シナリオを複数作成しました。
シナリオ分析ではアジア太平洋地域におけるエネルギー需要と気候変動影響を対象とし、2050年の事業環境を想定しています。アジア経済の高成長により、エネルギー需要の増加が低炭素化の動きを上回るシナリオや、パリ協定の目標達成を実現するシナリオなど4つのシナリオを作成しました。(図1)そして、当社グループにとってより強い環境対応が求められるシナリオ「虹」(環境対策を求める力が強くなり政府や企業がその求めに応じるケース)を強く意識して、中期経営計画の作成および重点課題の具体的な検討を行っています。

図1 2050年に向けた長期エネルギー事業環境シナリオ
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図2 長期エネルギー需要見通し(アジア太平洋地域)
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図3 長期エネルギー需要見通し(日本)
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シナリオ「虹」において、アジア太平洋地域および日本国内のエネルギー需要見通しを立てました。
アジア太平洋地域の石油・電力需要の見通しを示す図2では、石油需要は2030年にピークを迎え、その後減少傾向をたどるものの、2050年時点でもほぼ現状並みの需要が残ると見込まれます。電力需要は2040年に倍増となり、その後も増加傾向が継続します。
一方、日本国内の石油・電力需要の見通しを示す図3では、石油需要は2030年に30%減、その後人口減少とEVシフトの進展とともに2050年には70%減となる見込みです。電力需要は安定的に推移すると見込まれるものの、2040年の非化石電源比率が50%、分散電源比率は20%と再生可能エネルギー化・分散化が大きく進展すると見込まれます。
これらの見通しから、2050年に向けて、エネルギー供給事業者として直面する脅威と事業拡大の機会が併存することを認識しています。これを基本認識として、中期経営計画を策定しています。

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事業環境認識(2030年想定)

エネルギー情勢をはじめとして当社グループを取り巻く環境は複雑かつ多様であり、2050年という未来を正確に予測することは困難です。ただ、いずれのシナリオにおいても2030年まではほぼ同じ軌道を描くことが予想されています。どのような未来が到来しようとも柔軟かつ強靭に対応できる企業体を目指すべく、比較的確実性のある2030年をマイルストーンとして設定しました。
当社グループは、シナリオに基づき2030年の事業環境を「エネルギー需要構造の変化」「技術革新の進展」「ライフスタイルの変化・社会の要請」という3つの視点で捉えています。

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2030年に向けた基本方針・重点課題

当社グループは、上に示した事業環境認識の下、2030年に向けて「レジリエントな事業ポートフォリオの実現」「社会の要請に適応したビジネスプラットフォームの構築」という2つの基本方針を定めました。これを軸として事業活動を推進するとともに、社会課題の解決にも取り組みます。

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向こう10年間は、収益基盤である燃料油事業においてキャッシュフローを確実に確保します。ここで得たキャッシュフローを元に、高機能材事業などの成長分野においてM&Aを活用しながら事業規模・領域の拡大を図ります。同時に、社会の変化、顧客ニーズの多様化、環境負荷低減の要請などを見据え、SS(サービスステーション)の次世代業態開発、分散型エネルギー事業開発、サーキュラービジネスなど次世代事業の創出に取り組みます。

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地球環境と調和を図る具体的目標としてGHG(温室効果ガス)の定量削減目標と独自のモニタリング指標を設定しました。特に日本のGHG排出量の9割以上を占めるCO2削減を最優先に対応を進めます。また、株主をはじめ全てのステークホルダーの皆さまから信頼・期待を得られる企業であるために、ガバナンス機能を強化するだけでなく、デジタル技術活用による業務高度化、お客さまへの新たな価値創造にも取り組みます。そして、従業員一人ひとりがライフステージに応じて活躍・成長し続けることができるよう環境整備を推進します。

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2030年の定量目標

2030年度の営業利益+持分法投資損益は3,000億円に設定し、成長性、収益安定性、環境負荷低減など複眼的視点から事業ポートフォリオを変革していきます。その結果として、化石燃料事業への過度な依存の低減を図ります。GHG削減目標は2017年度対比 ▲200万t-CO2 (▲15%)に設定しました。

  2019年度(見通し) 2030年度 2019年度比
営業利益 + 持分法投資損益 1,680億円
(在庫評価影響除き)
3,000億円 +1,320億円
3事業営業利益比率
(燃料油・石油開発・石炭)
60% 50%未満 ▲10%
高機能材事業営業利益比率 18% 30%以上 +12%
総電源開発量累計
(うち、海外)
1.0GW
(0.2GW)
5GW以上
(4GW以上)
+4GW
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中期経営計画期間(2020~2022年度)の経営目標

  2022年度(中計最終年度) 中計期間累計(3年間)
当期利益 1,750億円 4,800億円
営業利益+持分法投資損益 2,600億円 7,200億円
ROE(自己資本利益率) 10%以上
FCF (フリーキャッシュフロー) 4,000億円
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セグメント別営業利益+持分法投資損益

グラフ
  2019年度対比の主な増減要因
燃料油 +640 統合シナジーの最大化
海外販売の拡大
ニソン製油所の事業基盤強化
基礎化学 ▲40 製品市況の下落(アロマなど)
高機能材 +190 潤滑油・機能化学品事業などの領域拡大
電子材料事業の強化
電力・再エネ +180 海外再生可能エネルギー電源開発の拡大
国内電力事業の基盤拡大
資源 ▲10 ベトナムガス田の生産開始
石炭市況の下落
その他 ▲40 新規ビジネス開発費などの増加
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統合シナジーの最大化

経営統合によるシナジー効果600億円を2021年度までに実現することを目標に掲げています。そのうち300億円については、2017年5月から始動している取り組みによって2019年度までに達成できる見込みです。残る300億円については、ブランド施策統合、販売戦略見直し、精製コスト最適化、DTK(だったらこうしよう)プロジェクト推進による業務効率化などにより、2021年度までに達成すると同時に、さらなるシナジー創出を目指します。

グラフ
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株主還元

2019~2021年度 還元性向50%以上の株主還元を実施
  • 一株当たり配当金160円を下限とし、株主還元額の10%以上を自己株式取得に充てる
  • 取得した自己株式については消却を予定
2022年度以降 一株当たり配当金160円を下限として、収益水準に応じた増配・機動的な自己株式取得などのさらなる株主還元を検討
  • 成長への戦略投資、財務体質強化など、キャッシュバランスを総合的に勘案の上、2021年度中に最終方針を決定
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