デジタル変革の取り組み

デジタル変革の取り組み

ビジネスプロセス全体をデジタル技術で変革させ、新たな顧客価値の創造・従業員体験向上へ

エネルギー業界を取り巻く事業環境が今後大きく変化していくことが予測される中、当社が持続的に成長をするためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)を全てのビジネスプロセスにおいて積極導入し、業務の高度化、新たなニーズに沿ったサービスの提供を続けていくことが必要不可欠です。
その認識の下、当社は中期経営計画の重点課題の一つに「デジタル変革の加速」を掲げ、以下の3つの切り口から取り組みを進めています。
2020年は「基礎固めの年」と位置付け、1月にデジタル変革室を立ち上げ、全社デジタル戦略の策定に向けた複数の実地検証と企業風土醸成に向けた社内啓発を推進しています。

出光のDXの取り組み
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出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

従業員の新しい働き方創造(Digital for Idemitsu)

業務プロセス変革を全社横断的に進めるために、事業部間のシナジー創出や全体最適化に資する複数の実地検証を4月よりスタートし、各成果確認後、スモールスタートを切るなど、着実に進捗しています。
また、2020年4月の新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令により、当社では製造部門を除く全社の9割以上の社員が在宅勤務となりました。事業環境においては非常に厳しい状況であった一方、DXという面ではウェブ会議やペーパーレス化、電子承認システムなどの活用が進み「これまでの働き方を大きく変えていける」という社員の意識醸成につながりました。企業風土醸成を目的とした社員向けオンラインセミナーを6月および10月に実施し、当社のDX推進の必要性や将来像の説明、社内事例紹介、社外の有識者とのパネルディスカッションなど、幅広いコンテンツで全社の変革に向けた取り組みを進めています。

DXによる製油所保全業務の高度化・安全レベル向上の取り組み

基盤事業である燃料油事業は、強固な生産拠点とサプライチェーンを構築していますが、石油需要の減少が見込まれる中で、今後の競争に勝ち残っていくためにも、さらなる生産性・効率性の向上が求められます。一方で、国内拠点の設備老朽化や保全コストの増加、生産現場を支えてきたベテラン技術者の退職といった多くの問題があります。こういった問題に対しデジタルテクノロジーは有効であり、DX案件の一つとして保全業務の変革を対象とし、従来と異なるアプローチ(アジャイル・デザインシンキング※)にて、今までの業務のやり方を見直しながら効果検証を行いました。その結果、保全費削減、業務効率化による競争力強化の可能性を見いだすことができたため、製油所の組織内にDX推進体制を組み、継続した業務プロセス改善のスモールスタートを切るとともに、変革スコープの拡大に向けた検討を開始しました。当実証で得られた知見は、他プラントにおいても適用を拡大し、事業間を超えたシナジー効果の創出を目指していきます。

  • ※アジャイル:迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う軽量な開発手法デザインシンキング:顧客価値の観点で目的を定め、商品やサービスを設計する考え方
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出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

顧客に対する新たな価値提供(Digital for Customer)

既存事業で新たな顧客価値を創造していくためには、当社のアセットを最大限生かした新たな取り組みが欠かせません。例えばSSでは、お客さまが給油に来てくださるのをただ待っているだけでなく、こちらから情報を発信し、SSを新たな体験ができる場所へと変貌させていく必要があります。お客さまの多様なニーズに対してベストなタイミングで最適なサービスを提供するために、蓄積されたデータを利活用し、お客さま一人ひとりに寄り添った、パーソナルなサービスを実現していきます。

SS顧客基盤を活用したデジタルマーケティングの導入

全国約6,400カ所にわたる当社SSネットワークを活用し、DXを通じた新たな顧客価値創造の取り組みを進めています。うち、SSで受けたいカーサービスをインターネットで予約できる“PIT in plus”については、お客さまのサービスをあらかじめ把握しつつ待ち時間を短縮できることから、現地スタッフの業務効率化およびお客さまの満足度の向上にもつながっています。特にコロナ禍において、待たずにサービスを受けたいというニーズの高まりも背景に予約件数も伸長しており、2020年8月現在1,566SS(3月末現在より430SS増)に導入を拡大しています。また、その他実証を進める洗車予約アプリ、コインランドリービジネス、小型EVシェアリングなどのさまざまな新サービスについては、デジタルのアルゴリズムなどを活用し、ソリューションとして既存のビジネスと組み合わせて提供していくなど、地域の生活と移動を支えるSSの実現を目指して、DXを推進していきます。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

企業間連携による共創(Digital for Ecosystem)

デジタル変革の第三の取り組みは、地域社会に資するまったく新しいビジネスを創出することです。しかしそれは、当社だけで成し遂げることはできません。ヘルスケアや住まい、食品、教育など、多方面の分野に強みを持つ企業との連携を通じて取り組みを進めていく予定です。2020年は企業間連携によるスマートシティを題材としたプロジェクト「SmartCityX」に参画しました。

出光のDX推進ロードマップ
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コロナ禍でオンライン文化が一気に加速し、社会全体の価値観が大きく変わってきています。より多様化が進むステークホルダー一人ひとりに寄り添った価値提供ができ、永続的に必要とされる会社になっていくため、従業員全員で変革にチャレンジしていきたいと思います。DXは、全社のチャレンジを進める強力な基盤です。

出光興産株式会社 執行役員デジタル変革室長
三枝 幸夫

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出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ